大規模接種会場でワクチン接種を受ける女性(代表撮影)
今月24日、厚生労働省は、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(以下、専門部会)を開催。収集した副反応のデータを基に接種と副反応との関連性を議論した。
予防接種開始(2月17日)から12月5日までに新型コロナワクチン接種後の死亡疑いとして報告された事例は1402件(ファイザー社製1343件、モデルナ社製59件、アストラゼネカ社製0件)だった。
なお、12月6~17日に医療機関または製造販売業者から死亡として報告された件数は29件(ファイザー社製22件、モデルナ社製6件、アストラゼネカ社製1件)だった。
この結果、2月17日~12月17日に計1431件のワクチン接種後の死亡報告があったことになる。 なお、ファイザー社製1343件のうち65歳以上は1136件、65歳未満は196件、年齢の記載なしは11件。モデルナ社製の59件のうち65歳以上は8件、65歳未満は50件、年齢の記載なしは1件だった。
専門部会では12月5日までに報告された1402件の死亡とワクチン接種との関連についてα(ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの)、β(ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの)、γ(情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの)と評価している。その結果は以下の通り。
▼ファイザー社製 α=0件、β=8件、γ=1335件 ▼モデルナ社製 α=0件、β=1件、γ=58件
また、ファイザー社製の症状の概要に記載されていた死因等は虚血性心疾患134例(うち65歳未満<以下同>は25例)、心不全117例(12例)、肺炎102例(2例)、出血性脳卒中103例(35例)、大動脈疾患59例(9例)、虚血性脳卒中53例(5例)、不整脈41例(18例)、敗血症37例(3例)などが多かった。
一方、モデルナ社製の症状の概要に記載された死因等は出血性脳卒中11例(8例)、虚血性心疾患8例(6例)、心筋炎関連事象4例(4例)、心不全3例(3例)、不整脈3例(3例)、敗血症2例(2例)、肺炎2例(1例)などとなっている。
では、新型コロナワクチン接種後の心筋炎死亡報告数はどうか? 12月5日時点での心筋炎死亡報告数は22件(ファイザー社製18件、モデルナ社製4件)。65歳以上、40~64歳、10~39歳と年代別に見るとファイザー社製は9人、4人、5人、モデルナ社製が0人、2人、2人だった。
このときのファイザー社製ワクチンの推定接種延べ人数は1億6567万7775人。モデルナ社製ワクチンの推定接種延べ人数は3202万1483人だった。
一方、2019(令和元)年4月時点の人口と同年の心筋炎の死亡数はそれぞれ、1億2625万4000人、203人だったことから、専門部会はワクチン接種群と人口動態統計を用いた非ワクチン接種群との比較において、ファイザー社製、モデルナ社製ともに、若者層において、ワクチン接種群に死亡が多い可能性があるとした。
こうしたことから、専門部会は死亡例の報告に関しては、被接種者の属性や海外の報告状況も鑑みても、現時点において引き続きワクチン接種体制に影響を与える懸念は認められないとした。
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