【新型コロナ】子供中心に感染拡大「一刻も早くワクチンを」 高齢者への呼びかけは的外れと専門家が指摘(2022.8.4)

新型コロナの《BA.5対策強化宣言》について、専門家は、医療体制のひっ迫を鹿児島県民に伝える点で意義があるとしながらも、高齢者へ外出を控えるよう呼びかけるのは「少し的外れではないか」と指摘します。

鹿児島大学大学院 西 順一郎教授(感染症学)
「子供たちを中心に感染が広がっている。今から帰省の人たちも増えてくるので、お盆にかけてはまだ増加傾向にあるのではないか。」

鹿児島県内の新型コロナの感染状況についてこのように話すのは、感染症学が専門の鹿児島大学大学院・西 順一郎教授です。

西教授は、3日に鹿児島県が出した《BA.5対策強化宣言》について、次のように評価します。

鹿児島大学大学院 西 順一郎教授
「医療のひっ迫状況について、県民に注意喚起する点では意義のあることだと思う。高齢者の感染が増えているのは、高齢者が出歩いたからではなくて、家庭内で感染したり、医療機関や高齢者施設の中で感染している状況なので、高齢者への呼びかけは、少し的外れなところがあるのではないか。」

その上で西教授は、強化宣言でも触れられているワクチンの早期接種の重要性を訴えています。

鹿児島大学大学院 西 順一郎教授
「ワクチン3回目接種であれば、60%~70%発症率を下げる効果がある。今、子供たちに流行しているのは、やはりワクチン接種が滞っていることが大きいと思う。鹿児島県内では、既に子供たちの20%は感染している。ワクチン接種で防げるぶんが防げていない。一刻も早くワクチンを打った方がいいと思う。」

そして、私たち一人一人にできることとして、改めて感染対策の徹底を呼びかけています。

鹿児島大学大学院 西 順一郎教授
「換気、人の密集を避ける、必要に応じてマスクをつけるのが、今のコロナ対策の基本。旅行や帰省などは3年目に入るので、キャンセルする必要はないし、普通にやってもらっていいと思うが、少しでも症状があれば人と会うのを控えるということを徹底していただきたい。」

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