■5歳~11歳のワクチン接種 今週から開始の自治体も
21日、東京都で確認された新たな感染者は8805人でした。14日からは1529人減少し、先月24日の8503人以来、4週間ぶりに1万人を下回りました。ただ、21日は亡くなった方が30人確認され、過去2番目の多さとなりました。このうち3分の2は高齢者施設や病院で施設内感染していたということです。
東京でも感染者は減少傾向になってきていますが、最近になって目立っているのが、感染者に占める高齢者と子どもの割合です。
東京都モニタリング会議の最新の資料をみてみますと、1月はじめの頃は20代から30代の感染者が6割を超えていました。しかし、その割合はだんだん減っていて、最新のデータでは50代が10.1%、60代が5.2%、70代以上が7.5%と徐々に増えています。また、10歳未満の割合をみますと、1月はじめの頃は4.2%でしたが、最新のデータでは15.9%と割合がかなり増えています。
こうした中、政府は5歳から11歳までの子ども用の新型コロナワクチンについて、今週以降に各都道府県に配布・配送する予定です。
松野官房長官は21日の会見で、準備ができている自治体はワクチンが届き次第、「3月を待たずに接種を開始していただくことにしている」と述べました。
私たちが取材したところ、東京23区で今週中にも接種をスタートさせる自治体があることが分かりました。
まず今月25日から東京都が希望した都内の自治体にワクチンの配布を開始します。
そして、以下の日程で子ども(5歳~11歳)のワクチン接種がスタートします。
2月26日 足立区
2月28日 墨田区
3月1日 港区、板橋区
3月2日 豊島区
3月4日 北区
3月5日 江東区、渋谷区、杉並区
■接種希望の保護者はどれくらい?江東区のアンケート結果
子どもの接種にあたって、どのくらいの保護者が接種を希望しているのか。東京都江東区が今月10日から13日までにオンラインでアンケートを実施し、2041人の回答を得ました。
5歳から11歳の子どもがいる保護者に「接種を希望しますか?」と聞いたところ、
「なるべく早い時期の接種を希望」が31.3%、「様子を見て問題なければ接種」が48.7%、「接種を希望しない」が20.0%でした。合わせて80%の保護者が子どもの接種を希望していることが分かりました。
一方で、「接種に不安はありますか?」と聞いたところ、「大いに不安がある」が39.6%、「少し不安がある」が49.7%、「不安はない」が10.7%でした。程度の差はあるものの、多くの保護者が不安を抱いていることが分かりました。
その上で「接種の判断に必要な情報」を聞いたところ、「副反応・リスク」が86.3%、「接種による効果」が8.0%となりました。
■子どものワクチン接種 医師の見解は?
5歳から11歳のワクチン接種ですが、3週間の間隔をあけて2回接種します。
効果については、オミクロン株が出てくる前のデータですが、感染しても症状が出にくくなる「発症予防効果」が90.7%と報告されています。オミクロン株に同様の効果があるかどうかは、まだ明確なデータがありません。
厚生労働省では特に慢性の呼吸器疾患や先天性の心疾患など重症化リスクの高い子どもには接種を勧めています。
そうなると、自分の子どもにどのように伝えようと悩んでしまう保護者の方も多いと思います。
医師で厚労省のワクチン分科会委員でもある川崎医科大学の中野貴司教授は、「子ども自身にメリットとデメリットを説明して子どもの意見を聞くことが大事」としています。さらに「5歳から11歳は自分だけでは意思決定をしにくい年齢。接種するかしないか決める際に家族がサポートしてあげることがとても重要で、その中でお父さんお母さんや家族内で意見が違うと子どもが混乱してしまう。子どもに負担がかからないようにしてほしい」と話しています。
◇
子どもへの接種が本格化していくことになりますが、大事なことは友達の中でワクチンを打つ人、打たない人は必ず出てきます。
「打つ、打たないで友達同士の付き合いを変えることはしないでね」ということをきちんと説明することが重要です。そして、保護者同士もそれぞれの判断を尊重するように努めたいです。
(2月22日午後4時30分ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)
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