進まない若者のワクチン接種…コロナ後遺症急増の懸念も

新型コロナの新規感染者数が高止まりする中、大学のキャンパスでも3回目のワクチン接種が行われています。一方で、コロナ後遺症の患者が急増、突然「抜け毛」の症状で悩まされる20代の女性も。

■東京大学 新入生のみの入学式

日本武道館で行われた東京大学の入学式。
当初は「家族1人に限り入場可能」とされていましたが、新型コロナの感染状況を考慮し新入生のみでの開催となりました。

東大の新入生
「親が来れなかったことは残念なんですけど、それでも開催できたことは感謝しかないです」

東大の新入生の母親
「残念ですけど子どもたちが参加できるのでそれだけでも良かった」

コロナ禍で迎える3度目の春。感染対策をとりながら、学生生活が動き出しています。

■大学生に聞く3回目接種

山本恵里伽アナウンサー
「新年度が始まりまして、こちらの大学ではきのうから3回目のワクチン接種が始まっています」

早稲田大学のキャンパス内に設けられた接種会場には、3回目の接種に来た学生の姿がありました。

山本恵里伽アナウンサー
「なぜ大学でワクチン接種を受けたんですか?」
3回目接種を受けた大学2年(19)
「(ジムのインストラクターの)バイトがご老人や子どもたちと接する仕事だったので、3回目も打っておかないと危ないなと」

山本恵里伽アナウンサー
「3回目を打って、気持ち的には安心する部分も?」
3回目接種を受けた大学2年(20)
「それはないですね。いつかかるかわからないし、打っている人もかかっているので」
山本恵里伽アナウンサー
「なぜ打とうと?」
3回目接種を受けた大学2年(20)
「打った方がよりかからないのかなと」

早稲田大学では現在、講義の7割を対面で実施しています。
担当者は対面授業を維持するためにも「学生らのワクチン接種は重要だ」と言いますが・・・

早稲田大学 総務課 藤本さつき課長
「1回目、2回目のときは予約を開始した瞬間にどんどん予約者が埋まっていった状況でしたが、今回はそういったことはなく比較的まだ空いている日が多いという状況です」

政府の調査によると3回目の接種を終えた20代の割合は24%。30代(25.9%)を含め若者の接種が進んでいないのが実状です。

山本恵里伽アナウンサー
「3回目を打つ予定は?」
大学2年(19)
「打つのを迷っている」
山本恵里伽アナウンサー
「なぜ迷ってるんですか?」
大学2年(19)
「2回目で高熱が出て、3回目もまたこの熱が出るのかと思うのと怖いというのもあって」

大学2年(19)
「みんな重症になっているわけではないじゃないですか、なっても無症状だったり風邪程度で済んでいることが多いので、打たなくてもいいのかなという思いがあるのが正直なところですね」

東京都内で12日新たに確認された新型コロナの感染者は6922人。そのうち10代~20代がおよそ3割を占めています。

11日、国内で初めてオミクロン株の新系統「XE(エックスイー)」と呼ばれる変異ウイルスの感染者も確認されています。

後藤厚労大臣は「(オミクロンの)BA.2系統に比べ市中での感染者の増加する速度が10%ほど高いとの報告がある」と話しました。

■「無症状だった人でも約3割に倦怠感などの後遺症が出た」
  
感染力の強いとされる「XE」系統の出現で「第7波」が現実味をおびる中、懸念されるのは「後遺症」患者の増加です。

コロナ後遺症で髪の毛が抜けた20代女性
「歩いている時も髪の毛が落ちてきているのがわかるくらい。さーっと地面にいっぱい髪の毛が落ちている感じ」

取材に応じた20代の女性はまだワクチン接種を受けていなかった2021年8月に新型コロナに感染。快復後の秋頃から後遺症と見られる「抜け毛」の症状が始まりました。症状は3か月ほど続き、日常生活にも支障が出たと話します。

コロナ後遺症で髪の毛が抜けた20代女性
「調理の仕事をしていて、髪の毛が入ったら異物混入で、絶対に入ってはいけない職場だったので、気を使って過ごしていた。街中を歩いていても、『あの人はげてる』って思われるのではと不安というか、嫌な気持ちでした」

東京・世田谷区が行った調査では、「新型コロナが無症状だった人でもおよそ3割に、倦怠感などの後遺症が出た」と言います。

後遺症外来がある都内のクリニックでは今、オミクロン株による後遺症の患者が急増しています。

■「軽く見てはいけない」

ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「今年1月に発症して?」
後遺症を訴える女性(40代)
「はい」
ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「どんな症状ですか?」
後遺症を訴える女性(40代)
「倦怠感が続いて、頭がぼーっとする感じで、人に伝えたいことや考えていることを言葉に出来なかったりとか」
ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「言われたことを覚えていないとか?」
後遺症を訴える女性(40代)
「はい、あります」

2022年1月に新型コロナに感染した40代の女性。コロナ自体の症状は軽症でしたが、その後、倦怠感や脳にもやがかかったようになり思考力が低下する「ブレインフォグ」の症状が続いていると言います。

ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「10代の方が2~3週間で寝たきり状態まで進んでいたりすることがあって、(オミクロンの後遺症も)決してバカに出来ない状態」

平畑医師は、比較的症状が“軽い”とされるオミクロン株でも重い後遺症が出ているとして警鐘を鳴らします。

ヒラハタクリニック 平畑光一院長
「(後遺症で)仕事に行けない、学校に行けないとか、そういう話になってしまって、本当に生活を一変させられている。たまにオミクロン株はインフルエンザと同じではないかというような言説もありますが、ちゃんと感染予防はしていかなければいけないし、軽く見てはいけないと思う」

(13日00:22)

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