厚生労働省によりますと、オミクロン株に対応した新たなワクチンは、アメリカのファイザー社とモデルナ社が厚生労働省に承認を申請しています。承認されれば9月中にはワクチンが輸入される見込みで、接種は10月半ばにも始まる予定です。
新たなワクチンに、街の人たちの受け止めは。
「せっかくなら待って新しいのを打とうかなと思います。都会で働いている分、人と接することが多いので、一層新しいものを試して自分を守れれば」(3回接種した女性)
「今4回目を打ってきたところ。(オミクロン株対応ワクチンについては)ちらっと聞きました。とりあえず4回目を早く打った方がいいかと」(4回接種した女性)
「気になるのは副反応のこと。やっぱり2回目がしんどかったので、そこが知れたらいいかなと思います」(2回接種した女性)
クリニックへの問い合わせが増加
第7波の感染拡大が続く中、名古屋市中村区の「細川外科クリニック」にはワクチン接種の希望者が増えています。「オミクロン株対応ワクチン」への問い合わせもあるといいます
「外来の患者さんたちで、診察の中で『10月まで待ったほうがいいかな?』と聞いてくる方が多いです。昨日から今日にかけて既に数件ずつ来ている」(細川外科クリニック副院長 細川慶二郎さん)
17日にワクチンを接種した人は。
「商売をやってるのでなかなか3回目接種の時間帯が合わなくて、そしたら、その間にコロナに1回かかってしまったて、今日ダメもとで来て、3回目打てたからホッとしています。オミクロン対応ワクチンを待てなかったですね。待ってまた2回目かかるくらいなら、打てるなら打ってそれでかかったら仕方がないかなと」(接種しに来た人)
「オミクロン対応ワクチンの情報が少なかったので、普通に3回目ということで待たずに打つことにした。どこで打つといいか、優先順位がどうかとかが分かるといいなと」(接種しに来た人)
オミクロン株対応ワクチンが出るまで待つという人もいるといいますが、細川副院長は。
「従来のワクチンでも、十分に重症化を抑えたりだとか入院を予防する効果というのは、これまでの研究の中で十分に報告されていますので、打てる余裕があるのであれば早いうちに打った方が良いのではないかとお勧めしています」(細川慶二郎さん)
専門家はワクチン先延ばし「メリットは多くないのでは」
オミクロン株対応のワクチンは、これまでのものとは違う仕組みです。オミクロン株「BA.1」と「従来の株」の両方に対応した「2価ワクチン」と呼ばれるワクチンです。オミクロン株への効果はどの程度上がるのでしょうか。
「中和活性、要するに『ウイルスの感染性をなくさせる力』という風に理解していただければいいんですが、それが倍になったということです。ただ、それはあくまで試験管内、要するに体外の実験でそうだというだけで、体内でそれが2倍になるかは正直なところ分からないです」(国立病院機構 三重病院 菅秀副院長)
ファイザー社による臨床試験の結果によりますと、ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の量は、従来のワクチンを接種した人と比べ平均で1.56~1.97倍増えたということです。
副反応は従来型と比べてどの程度出る可能性があるのでしょうか。
「細かいデータは公表されていないんですが、少なくとも両メーカーが公表されたデータを見る限りは、従来型のワクチンと差はないという表現がされています」(菅秀副院長)
感染者が増えている状況を受け、愛知県は「ワクチンを接種できる状況にある人は、オミクロン株の対応ワクチンを待たずに接種してほしい」としています。
ワクチン接種のタイミングについて、菅副院長は。
「接種可能になるまで今から3か月間あるので、その間に感染するリスクのバランスを考えると、先延ばしにするメリットは多くないのではないかと。非常に流行している時、あるいはできればその前に打って、あらかじめ免疫をつけておくというのがワクチンの効果を最大にするということですから、そういう意味では今これだけ患者が世界で1番多い国となっているので、その時にまだ感染していない方が免疫をつけるということが非常に大事だと思います」(菅秀副院長)
(8月17日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
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