悩める堀内ワクチン相 揺れる答弁「政府に迷惑かけられない…」
笹山大志
新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり課題が山積するなか、堀内詔子・ワクチン担当相の国会での答弁が野党から批判を浴びる場面が目立っている。岸田文雄首相が10月に当選3回の若手として抜擢(ばってき)したが、ほかの閣僚からも堀内氏の答弁能力に懸念の声が上がっている。
答弁はその後も安定せず、途中からは堀内氏が手をあげる中で後藤茂之厚生労働相が引き取った。後藤氏は「堀内ワクチン担当大臣は責任を持って供給量の管理をし、地方につなげている」と擁護。その後も堀内氏への質問が続いたが、事務方の官僚が答弁を引き取る場面も。出席議員からは「なんのための担当大臣なんだ」とヤジが飛んだ。
堀内氏は13日の衆院予算委員会でも答弁が不安定で審議が一時中断。終了後に関係者で開いた「反省会」で、官僚らから「答弁は聞かれたことに簡潔に答えた方がいい」などと指南されたばかりだった。ある閣僚はこう嘆く。「長い答弁書をそのまま読もうとすると混乱する。心配だ」
ワクチン担当相は、複数の省庁にまたがる業務の調整役で主に自治体への配送、国民への情報発信を担う。ただ、多くの職務権限は厚生労働省が握っているのが実態だ。前任の河野太郎氏は、ワクチン行政の権限を自らに集中させ、発信を強めたが、現在ではワクチンを含むコロナ対応は後藤氏が発信する場合が多く、堀内氏の存在感は乏しい。
堀内氏は周囲に「自分がどこまで手を出して良いのかわからない」とも吐露しているという。
こうしたなか、大臣の任期が来春で終了する可能性もある。兼務する五輪相の任期が特別措置法により3月31日までと規定されており、内閣法では原則、大臣の数は増やせないためだ。
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