米製薬大手メルクが開発した新型コロナウイルス感染症用の飲み薬「モルヌピラビル」=AP
厚生労働省は24日、米製薬大手メルクが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「モルヌピラビル」(商品名・ラゲブリオ)の製造販売を承認した。後藤茂之厚労相が24日夜の記者会見で明らかにした。飲む薬タイプのコロナ向け抗ウイルス薬としては初の実用化となる。厚労省などは今週末から20万人分を使えるように配送を進める。 【新型コロナウイルス飲み薬のメカニズムと開発状況】
モルヌピラビルは、発症早期の軽症から中等症の患者が服用することで、ウイルスの増殖を抑えて重症化を防ぐ。1日2回、5日間服用する。重症化リスクの高い人を対象とする臨床試験(治験)では、入院・死亡するリスクを約30%下げる効果があった。 当初は約50%減らせるとしていたが、その後の解析で下方修正した。
世界で拡大する新たな変異株「オミクロン株」にも有効である可能性が高いとされる。日本法人のMSDが3日に承認申請していた。 国内では、新型コロナの患者に対して5種類の薬が承認されている。
軽症から中等症患者向けは2種類あるが、いずれも医師や看護師による点滴や注射での投与が必要となる。飲み薬が実用化されれば患者が自宅で服用できるため、医療機関の負担軽減につながると期待される。【矢澤秀範】
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