■“軍事パレード”感染拡大の原因か
金正恩総書記:「建国以来の大動乱だ」
“異例のマスク姿”で、強い危機感をあらわにした金正恩総書記。朝鮮中央通信は16日、15日夕方までの一日で、新たにおよそ39万2900人が発熱し、8人が死亡したと報じました。
先月末からの発熱者は82万人を超え、42人が死亡したと伝えています。その多くが、新型コロナに対する理解の不足から、薬品の誤った服用によって死亡しているということです。
北朝鮮はこれまで、2年以上国境を封鎖し、「感染者はいない」と主張してきました。
先月には、金日成(キム・イルソン)主席の生誕110周年、軍創建90周年の大規模軍事パレードが行われたばかりでした。
新型コロナ対策を担うと思われる“防護服を着た兵士”たちも登場しましたが、韓国メディアはこれらの政治行事が感染拡大の原因としています。
朝鮮日報:「住民数百万人が動員されたこれらの行事は、すべてノーマスクで行われた。軍事パレードの参加者から、発熱する人が出た」
朝鮮中央テレビは、人気がない街の様子を伝え、アニメのイラストを用いて、「他の人と接触しないように」と呼び掛けています。
■コロナ対応・・・「防疫大戦」と位置付け
金正恩総書記:「地域封鎖と隔離措置で、感染拡大を逆転させる」
今後の新型コロナ対応を「防疫大戦」と位置付け、厳格な行動制限や発熱者の隔離を指示した金総書記。自らも、大きめのマスクを着けて会議に臨み、幹部らの報告を受けていました。
ただ、話す際にはマスクを外し、タバコを吸いながら談笑している様子も・・・。幹部は、声を通りやすくするためか、“あごマスク”で報告。マイクを使っている様子はありません。
他にも、“鼻だしマスク”で歩いている幹部もいました。
■ワクチン支援で“半島情勢”風穴は・・・
それにしても、当初、感染ゼロを主張していた北朝鮮が、なぜここにきて感染拡大を発表したのでしょうか。
日本の外務省幹部は「北朝鮮が新しいことを発表する時には、それなりの意図がある」と分析。「支援をして下さいというメッセージだ」という見方があります。
韓国の新政権は、ワクチンや医薬品を支援する意向を表明。日本の政府内の一部にも、「人道的な支援は制裁とは別の話だ」として、ワクチンの供与を検討する動きがあります。
国際社会のワクチン支援が実現し、朝鮮半島情勢に風穴を開けるかが、注目されています。
(「グッド!モーニング」2022年5月16日放送分より)
[テレ朝news]
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